みなさんはサクラソウという花を知っていますか?春に咲く小さく可憐な花が群生して咲く姿は、古くから多くの人に愛されてきました。また、現在では純絶滅危惧種に指定されている非常に貴重な花です。そんなサクラソウの歴史や花言葉、サクラソウを見ることができるおすすめのスポットなどを紹介していきます。
サクラソウはどんな花?
サクラソウ(桜草、学名:Primula sieboldii)はサクラソウ科サクラソウ属の多年草で日本のサクラソウの代表です。日本では北海道南部や本州、九州の高原や原野に分布しており、朝鮮半島から中国東北部へかけても分布していますが、現在では野生の群落を見かけることは非常に稀です。
また埼玉県と大阪府の県(府)花としても知られており、日本では古くから園芸用の花として親しまれていました。サクラソウ属の植物は世界中に約400種もの種類が存在しており、ホザキサクラソウ(Primula vialii) など一部を除くと花の形や草姿に大きな違いがありません。そのため「サクラソウ」を総称とすることが多くなっています。
園芸店などで見かける「サクラソウ」は西洋サクラソウ(P. polyanthus)、オトメザクラ(P. malacoides プリムラ・マラコイデス)、トキワザクラ(P. obconica プリムラ・オブコニカ)などがほとんどです。
学名 | Primula sieboldii |
科・属名 | サクラソウ科 / サクラソウ属 |
英名 | Japanese primrose |
原産地 | 日本、朝鮮半島、中国東北部 |
開花期 | 4月~5月 |
花の色 | 白、ピンク、紫、複色 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
種まき時期 | 3月頃 |
草丈 | 15~20cm |
サクラソウの歴史
サクラソウは日本では江戸時代の中ごろから盛んに栽培されているとても歴史のある花です。江戸時代の後半では園芸ブームとよばれた時期があり、その際に非常に多くの種類のサクラソウが作出されました。特に旗本や御家人などの武士の間で非常に人気があり、品評会が行われ品種の作出を競い合っていました。
欧米では19世紀ごろからサクラソウの存在が知られるようになり、日本から伝わった園芸品種もわずかながら栽培されていました。しかし知名度は非常に低く、世界的に知られるようになったのは1992年と、比較的最近になってからです。
第二次世界大戦の食料増産のために行われた大規模な開墾工事や戦後の高度経済成長に伴う河川敷の開発によって、自生していたサクラソウのほとんどが消滅してしまい、一時期は絶滅危惧種に指定されていたほどでした。
しかし、国や地方自治体、愛好家の方々の努力の結果、絶滅の危険性が下がったことで純絶滅危惧種までランクが下がっています。そして、現在では世界中の多くの愛好家によって愛され保全活動が行われています。
サクラソウの花言葉
サクラソウの花言葉は、「少年時代の希望」「初恋」「自然の美しさを失わない」「あこがれ」「純潔」です。「初恋」「純潔」は、かわいらしく清楚な花姿に由来します。
サクラソウ誕生花
サクラソウが誕生花になる誕生日は、2月1日、2月4日、2月5日、4月28日、5月18日です。
サクラソウのおすすめスポット
田島ヶ原サクラソウ自生地
サクラソウは埼玉県の県花です。昔は荒川流域などのいたる所でサクラソウを見ることができましたが、現在では田島ヶ原のみに自生していて、昭和27年に国の特別天然記念物に指定されました。この自生地を中心に「さくら草公園」が整備され、さらに見学路が設けられるなどサクラソウを気軽に楽しむことができるスポットになっています。
約100万株ものサクラソウが自生していますが、そのなかで花が咲くのは2割程度ですが、逆にそれが可憐ではかなげなサクラソウらしいさとも言えます。また同じ時期には黄色い花の野漆(ノウルシ)も咲き誇るため、サクラソウのピンクとノウルシの黄色の絶妙なコントラストを味わうことができます。
また、開花時期にあわせて毎年4月の第3土・日にはさくら草まつりが開催され、多くの人でにぎわうサクラソウの名所です。
住所 | 埼玉県さいたま市 桜区大字田島3542-1 |
見ごろ | 4月上旬~4月中旬 |