ムスカリ

みなさんはムスカリという花をご存知ですか?ムスカリは、2017年7月に公開されたスタジオポノック制作の「メアリと魔女の花」に出てくる夜間飛行という花のモデルとなった花として注目を集めました。そんな春を彩る花のひとつのムスカリについて花言葉やその歴史など詳しく解説していきます。

ムスカリとはどんな花?

ムスカリは鮮やかな青紫色の花が春の花壇を彩り、チューリップなどほかの花と咲くことでさらにその魅力を発揮する名脇役ともいえる花です。寒さに強く丈夫で育てやすい多年草のため一度植えると数年は何もしなくても育つので花壇の寄せ植えなどで重宝されています。

ムスカリ属には40~50種と多くの品種がありますが、そのなかでもボトリオイデスとアルメニアカムがもっとも一般的で、濃紫から淡青、白花などいくつかの品種があり、香りの強い品種も存在します。そのほか、羽毛のような花が咲くハネムスカリや、花房の上部と下部で色が異なる2色咲きなど、少し変わったユニークな品種も存在します。

学名Muscari
科・属名キジカクシ科/ ムスカリ属
英名Grape hyacinth
原産地地中海沿岸・アジア南西部
開花期3月~5月中旬
花の色青、紫、黄、白、ピンク
栽培難易度★☆☆☆☆
植え付け時期11月~12月
草丈10~30cm

ムスカリの名前の由来

ムスカリ

ムスカリの名前の由来は、ギリシャ語のmoschos(ムスク)が由来です。ムスクとは麝香鹿(ジャコウジカ)の腹部にあるジャコウ線から分泌されるものを乾燥させた香料のジャコウのことで、ムスカリのある種の花がジャコウのような強いい芳香を放つことからこの名前が付けられました。

また、花がブドウの実のように見えるので、ブドウヒヤシンスまたはグレープヒヤシンスの別名を持ちます。

ムスカリの花言葉

ムスカリの花言葉は「通じ合う心」「明るい未来」です。

ムスカリ誕生花

ムスカリは1月30日生まれの方の誕生花です。

ムスカリの種類

ムスカリ属は、地中海沿岸から南アフリカ、南西アジアの広い範囲に渡って、約40種が分布しています。花壇の脇役として重宝されることから、たくさんの園芸用品種があり、八重咲きや2色咲きの品種もあります。以下に、代表的な種類や品種をいくつかご紹介します。

ムスカリ・アルメニアカム

ムスカリ・アルメニアカム

ユーゴスラビアからトルコ周辺の高い山に自生する種類で、現在最も多く栽培されているものの1つです。花は青紫色をしており、八重咲きや香りのあるものなど様々な園芸用品種の元となっています。

ムスカリ・ボトリオイデス

ムスカリ・ボトリオイデス

草丈は10~15cmと、ムスカリの中では小型な種類です。花の青色が美しいことから「ルリムスカリ」という別名を持っており、英名の「グレープヒヤシンス」は本種に由来します。白い花を咲かせる「アルバ」という園芸用の品種が特に人気です。

ムスカリ・ネグレクタム

ムスカリ・ネグレクタム

花の上から下に向かって、紫のグラデーションになっている種類です。花の色合いには深みがあり、渋い美しさから寄せ植えにしても存在感があります。

ムスカリ・ピンクサンライズ

ムスカリ・ピンクサンライズ

淡いピンク色の花を咲かせる、園芸用の品種です。葉は肉厚で、庭や鉢に植えるだけでなく、切り花としても楽しめます

ムスカリの歴史

ムスカリ

旧石器時代の人類に既に「埋葬」という文化があったことは知られていましたが、ムスカリは、世界最古の埋葬花としても有名です。6万年前から埋葬花として、人を送り出す役割を担っていたことが分かっています。氷河期の名残の過酷な環境の中で、人の死を悼み、周りに花を敷き詰めて故人を埋め尽くしていた花が「ムスカリ」でした。鮮やかな青色の花が印象深いムスカリには、希望を感じる前向きな花言葉がいくつもあると同時に、絶望的な花言葉も持ち合わせています。