夏に太陽に向かって大輪を咲かせる「ヒマワリ」は、誰もが知っている花ではないでしょうか。しかし、ひまわりの花言葉やその由来はご存じでしょうか。この記事では、ヒマワリの花言葉や、ヒマワリにまつわる様々な情報満載でお届けします!ヒマワリを見にいく際におすすめのスポットなども紹介しているので、ぜひご覧になってください!
ヒマワリ(向日葵)とはどんな花?
ヒマワリは、北アメリカ中西部原産のキク科の1年草です。大きな品種は、高さが3mほどにまで成長し、7~9月に太陽のような黄色く大きな花をつけます。
ヒマワリの花弁は、大きなひとつの花に見えますが、1枚1枚が独立した花が集まってできた頭状花序(とうじょうかじょ)と呼ばれるもので、おしべはありません。また、種ができる黒っぽい中心の部分もひとつひとつが花になっています。こちら筒状花と呼ばれ、おしべとめしべの両方を持っているため、種ができます。
ヒマワリの和名の由来は、太陽の動きによってひまわりの花の向きも変わるということから、「日廻り(ひまわり)」と呼ばれるようになったとされています。しかし、実際にヒマワリが太陽を追って動くのは、生長が盛んな若い時期だけです。いずれにしろ、学名の「Helianthus」に「太陽の花」という意味があるように、ヒマワリと太陽は、昔から密接な関係にあるといえます。
また、和名の「向日葵」は、ヒマワリの花に、茎などが太陽の光の強い方へ向かって屈曲する性質の「向日性(こうじつせい)」の「向日」と、「太陽に向かって成長する植物」という意味の「葵」が合わさって、「向日葵(ひまわり)」と呼ばれるようになりました。
学名 | Helianthus annuus |
科・属名 | キク科・ヒマワリ属 |
和名 | 向日葵、日車(ヒグルマ) |
英名 | Sunflower |
原産地 | 北アメリカ中西部 |
開花期 | 7月~9月 |
花の色 | 黄色 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
種まき時期 | 4月~6月 |
ヒマワリの歴史
ヒマワリの歴史は非常に古く、紀元前にまでさかのぼります。ヒマワリの原産地は北アメリカの中西部ですが、紀元前からすでに、インディアンの貴重な食糧源として活用されていました。
そして、大航海時代のさなかの1510年に、アメリカ大陸に上陸したスペイン人によって、ヒマワリの種が本国に持ち帰られます。その後、ダリアやコスモスが最初に栽培されたことでも有名なマドリード植物園で栽培が開始されたことでスペイン国内にヒマワリが広まっていきます。
一方、ヒマワリがほかの国に伝わるのは、それから100年以上の歳月を要しました。ヒマワリがスペイン国外に持ち出されたのは、17世紀に入ってからで、まずフランス、その次にロシアに伝わったとされています。ちなみに、日本にヒマワリが伝わったのも17世期頃とされています。
ヒマワリ栽培の世界ランキング
- ウクライナ
- ロシア
- アルゼンチン
- 中国
- ルーマニア
上記のランキングを見て、なぜ、原産国であるアメリカが入っていないのか、疑問に思った人もいるのではないでしょうか。その原因は、ヒマワリがロシアに伝わった17世期までさかのぼります。
キリスト教の教派のひとつで、ギリシャ正教とも呼ばれる、正教会は聖枝祭前の6週間を大斎とし、食物品目の制限による斎(ものいみ)を行ってました。その制限は非常に厳格で、19世紀の初期にはほとんど全ての油脂食品が禁止食品のリストに載っていたとされています。
しかし、なぜかヒマワリだけは、その禁止リストの中に含まれていませんでした。そのため、正教徒の多いロシアでは、教会法に触れることなく食べられる、ヒマワリの種を煎って食べていました。
19世紀半ばには、正教徒だけではなく、一般の人たちにも普及したことで、ロシアがヒマワリの栽培において世界的な地位を手に入れました。そして、ロシア周辺の国にも普及していくことで、今のランキングが形作られたとされています。
ヒマワリの花言葉にはどんなものがある?
一般的なヒマワリの花言葉
ヒマワリの花言葉には、様々なものがありますが、まずは一般的に知られている花言葉を紹介します。一般的な花言葉ですが、実はその裏に隠されたもうひとつの意味もあるのであわせて紹介していきます。
憧れ・あなただけを見つめる
このふたつの花言葉は、ヒマワリが常に太陽の方角を向くことから付けられたといわれています。強い光に憧れて、常にその方向を向く様子や、太陽を見つめ続ける様子がよくわかる花言葉です。しかし、実はこのふたつのの花言葉には、まったく異なる由来もあるのはご存じでしょうか。その由来となったのが、ギリシャ神話の花にまつわる話がもとになっているといわれています。
その神話とは、太洋神オケアノスの娘、水の精クリュティエが太陽神アポロンに恋をするという話です。ここまでならば、淡い恋の話ですが、この恋はクリュティエの片思いで、決して叶わぬ恋だったのです。
クリュティエは、アポロンに恋心を抱いた翌日から嘆き悲しむ日々を送ることになります。そうして、アポロンの姿を追いかけるだけの悲しい日々を送るうちに、彼女の足は地面に根付いてしまいます。そして、顔は花になり、いつの間にかひまわりへと変わってしまったという、なんとも悲しい話なのです。
色別のヒマワリの花言葉
上記で紹介した花言葉は、一般的な黄色いヒマワリの花言葉でした。ヒマワリは黄色い花が主流ですが、白や紫の花も存在します。そして、花言葉もその色ごとに存在しています。そこで、ここでは、ヒマワリの色別の花言葉を紹介していきます。
紫のヒマワリの花言葉「悲哀」
紫のヒマワリの花言葉は「悲哀」です。黄色いヒマワリの花言葉と比べると、悲しく切ない花言葉です。この花言葉の由来は、一般的なヒマワリの花言葉で紹介したギリシャ神話からという説や、その見た目がうなだれているように見えるからなど、諸説あります。
白いヒマワリの花言葉「程よき恋愛」
日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、イタリアンホワイトなどの白いヒマワリも存在します。白いヒマワリの「程よき恋愛」という花言葉は、黄色いヒマワリよりも控えめな印象からつけられたといわれています。これらの色別の花言葉以外にも、大輪のヒマワリの花言葉である、「偽りの愛」や「にせ金持ち」といった花言葉があります。また、小輪のヒマワリの花言葉の「高貴」など花の大きさによっても花言葉が異なります。
ヒマワリ誕生花
ヒマワリが誕生花となる日は、7月20日です。また、白いヒマワリの花言葉でも紹介した、イタリアンホワイトは、8月25日の誕生花です。
ヒマワリにはどんな種類があるの?
ヒマワリにはたくさんの花言葉がありました。普段私たちが目にしているヒマワリも、実はいろいろな種類のヒマワリが存在しています。ここからは、そのたくさんの品種から、特に人気のあるヒマワリをいくつか紹介します。
ゴッホのひまわり
ゴッホのひまわりは、誰もが知っているゴッホが描いた「ひまわり」のモデルとなった品種とされています。花の形は、一重咲きや半八重咲き、八重咲とさまざまな咲き方をします。また、花粉が少ないので、花もちが非常によく、切り花にも向いているという特徴があります。
モネのひまわり
モネのひまわりも、ゴッホのひまわりと同様に、「画家シリーズ」といわれるヒマワリの品種です。鮮やかなレモンイエローの花が魅力的なヒマワリです。種を撒いてから約60日という短い期間で咲く、早咲きの品種としても知られています。この品種も花粉が少ないので、花もちがよく、切り花にも向いています。
サンリッチシリーズ
サンリッチシリーズは、ヒマワリの中でも特に人気がある品種です。サンリッチシリーズには、それぞれ花の色に合わせて、「サンリッチレモン」や「サンリッチオレンジ」、「サンリッチパイン」というように果物の名前がつけられています。
非常に育てやすい品種で、種を撒いてから開花するまでの期間も、短いもので45日というように、すぐに咲くことも、サンリッチシリーズが人気の理由です。また、ヒマワリは一般的に横向きに花が咲きますが、真上に向かって花を咲かせる、「サンリッチアップライト」という品種もあり、人気を集めています。
グッド・スマイル
グッドスマイルは、1990年に大阪の花博にて大賞を獲得した「ビックスマイル」を小型に品種改良したヒマワリです。通常のヒマワリよりも草丈、花ともに小さく、室温が15度あれば育てられるため、一年を通して室内で栽培できるヒマワリです。そのため、テーブルフラワーとしても人気があります。
実はいろいろある!ヒマワリの活用方法
ヒマワリの活用法というと、ヒマワリの種をハムスターなどのペットのエサとして利用するというイメージが強いかもしれません。しかし、ヒマワリにはそのほかにもさまざまな活用法があります。ここでは、そのヒマワリの活用方法をご紹介します。
種を煎って食用にする
ヒマワリの活用方法として、一般的なもののひとつです。「ヒマワリ栽培の世界ランキング」でもご紹介したように、ヒマワリの種を煎ったものは、古くから人々の貴重な栄養源として食べられていました。現在でも、ロシアなどでは一般的な食べ物として知られています。日本国内でも煎ったヒマワリの種をおつまみなどで食べるところもあります。ただし、すべてのヒマワリの種が食べられるわけではないので注意が必要です。
種から取れる油には美容効果も!
ヒマワリの種を絞った際に取れるヒマワリ油は、食用として利用されるほかにも、美容効果の高さが注目されています。ヒマワリの油には、飽和脂肪酸が少なく、ビタミンEが豊富という特徴があります。このビタミンEは、美容ビタミンとも呼ばれており、髪のダメージを補修したり、保湿効果を高めたりとさまざまな美容効果があることが特徴です。
そのため、ヒマワリは、美容効果の高いシャンプーやトリートメントの原料としても注目されています。
花びらも食べられる!
ヒマワリの花びらも、種と同様に食用として利用されています。例えば、ヒマワリの産地としても知られる、北海道北竜町では、ヒマワリを使った薬膳料理が楽しめます。そのほかにも、各ヒマワリを利用した料理は、いろいろな地域で楽しめるので、探してみるのもよいかもしれませんね!
ヒマワリのおすすめスポット
さまざまな場所で見ることのできるヒマワリですが、やはり、密集して咲く様は圧巻のひとことに尽きます。夏の青空に、黄色のコントラストが映える、ヒマワリの名所から、特におすすめの4つの場所をピックアップしてご紹介します。
ひまわりの里(北海道北竜町)
数あるヒマワリの名所の中でも、日本一と称される場所が、北海道北竜町にある「ひまわりの里」です。見頃の8月上旬には、200万本の満開のヒマワリが出迎えてくれます。
ひまわりの里には、無料で入場できるほか、有料の「ひまわりの迷路」で楽しむこともできます。また、ヒマワリが咲いている期間には、「ひまわりまつり」が開催され、さまざまなイベントも楽しめます。
名称 | ひまわりの里 |
住所 | 北海道雨竜郡北竜町字板谷143番地の2 |
見ごろ | 7月下旬~8月中旬 |
網走市大曲湖畔園地(北海道網走市)
網走といえば、網走刑務所が非常に有名ですが、網走市大曲湖畔園地は、その網走刑務所の旧農場跡地に作られた花畑です。刑務所の物々しい雰囲気とはまったく異なり、訪れる人たちを170万本のヒマワリが出迎えてくれます。
敷地は、18ヘクタール(東京ドーム5個分)で、その広大な敷地の中に、ヒマワリの迷路や展望デッキなど、ヒマワリを楽しむための仕掛けがたくさんあります。開花のピークは、9月下旬頃なので、その期間に網走に行った際は、ぜひ立ち寄りたいスポットです。
名称 | 網走市大曲湖畔園地 |
住所 | 北海道網走市字三眺25番 |
見ごろ | 9月下旬 |
国営昭和記念公園(東京都立川市)
ヒマワリのスポットというと、北海道や九州など、広い土地がある場所というイメージがあるかもしれません。しかし、関東にも素晴らしいヒマワリのスポットはたくさんあります。その中でも、特に素晴らしいスポットが、東京都立川市にある国営昭和記念公園です。
ヒマワリの本数こそ、5万本と上記で紹介したスポットと比べると見劣りしてしまいます。しかし、咲き誇るヒマワリを間近で見られるため、その迫力に圧巻されます。また、国営昭和記念公園は、ヒマワリだけではなく、さまざまな花や、子どもが遊べるスポットなどもあるため、一年を通して楽しめます。
名称 | 国営昭和記念公園 |
住所 | 東京都立川市緑町3173 |
見ごろ | 7月下旬~8月中旬 |
長崎鼻リゾートキャンプ場・花公園(大分県豊後高田市)
長崎鼻リゾートキャンプ場・花公園は、九州地方屈指のひまわりの名所です。見ごろの8月中旬から9月上旬には、岬に広がる段々畑に、160万本のヒマワリが咲き誇ります。海と空の青さに、ヒマワリの黄色いグラデーションは素晴らしいの一言です。ヒマワリ畑には、オノ・ヨーコの作品「見えないベンチ」が隠されているので、ぜひ探してみてください。
名称 | 長崎鼻リゾートキャンプ場・花公園 |
住所 | 大分県豊後高田市見目4060 |
見ごろ | 8月中旬~9月上旬 |