ハーブの女王・ラベンダーの花言葉とは?

ラベンダーの花言葉はご存知ですか?「ハーブの女王」と言われるラベンダー。そんな優雅で可愛らしい紫色の花と、爽やかで清々しい香りを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。誰もが一度は名前を聞いたことがあるラベンダーですが、その花言葉や意味、由来は意外と知られていません。

ラベンダーとはどんな花?

ラベンダーは多年草でシソ科に属するハーブです。半木本性植物で、低木のような草本、小低木、亜小低木ですが、草花として分類されることが多いです。多年草品種とそうでない品種が混在しており、北海道でよく見られるように、ラベンダーは寒さにはとても強い品種が多いです。しかしその反面、高温多湿に弱いという性質も持っています。

学名 Lavender 
科・属名シソ科 / ラベンダー属(ラヴァンドラ属)
英名Nemophila、Baby blue eyes
原産地地中海沿岸、インド、カナリア諸島、北アフリカ、中東など
開花期5月~6月
花の色紫,白,ピンク
栽培難易度★★ ★ ☆☆
種まき時期3月~4月上旬

ラベンダーの歴史

ラベンダー

古代ローマ時代から人々に親しまれてきたラベンダーですが、そこにはどんな歴史があるのでしょうか。その歴史を紐解いていきたいと思います。

ラベンダーは古代ローマで活用されてきましたが、実は古代エジプトでもラベンダーは登場します。古代エジプトではミイラを作る際に防腐剤としてラベンダー油を利用していました。あのツタンカーメン王の墓でもラベンダーを使った軟膏が入った壺が見つかっています。

そんな古代からあるラベンダーですが、日本に伝わったのは江戸時代後期です。この頃は蘭学が伝わった時期で、鑑賞用の花としてではなく、医療用としてオランダから伝わりました。主にラベンダー油として医療に利用していたそうです。ただこの頃は日本で栽培していたわけではなくオランダから輸入をしていました。

日本で本格的にラベンダーの栽培・精油の蒸留が始まったのは、1937年(昭和12年)です。曽田香料株式会社の創業者である曽田政治氏が、南フランスからラベンダーの種を持ち帰り北海道の札幌で栽培をしたことが日本でのラベンダー発祥の由来です。

ラベンダーの名前の由来

ラベンダー

初夏から夏の季節にかけて紫色の花を咲かすラベンダーですが、その名前の由来は古代ローマの時代にまでさかのぼります。古代ローマ人といえば、ローマ風呂に代表されるようにお風呂が大好きでした。そんなローマの人たちは、浴槽にラベンダーを入れてその香りを楽しんでいたそうです。

そのため、ラテン語の「lavare(洗う)」がラベンダーの英語名「Lavender」の語源であると言われています。また、古代ローマの人たちはお風呂だけではなく、洗濯の際にラベンダーを使っていたという説もあり、それも名前の由来の一つだと言われています。

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ラベンダーの花言葉

ラベンダーの花言葉

あなたを待っています

日本でのラベンダーの花言葉には、「あなたを待っています」というものがあります。恋を連想させるような素敵な花言葉ですが、どんな意味があるのでしょうか。実はこの花言葉にはちょっと切ない由来があるのです。

この花言葉の由来はヨーロッパのある伝説です。ラベンダーという少女は、ある時、ひとりのとても美しい少年に恋をしてしまいます。ですが、内気なラベンダーは告白できず、長い季節をただただ待ち続けた末に、最後は1輪の花になってしまうというものです。このことから、この「あなたを待っています」という花言葉が生まれました。

沈黙

ラベンダー
ラベンダー

ラベンダーの花言葉「沈黙」という花言葉の由来は、そのラベンダー特有の香りにあります。ラベンダーの香りには、高ぶった精神を鎮める鎮静効果があります。その癒し効果によってリラックスして気分を鎮めることが「沈黙」の由来になっています。

「沈黙」というとなんとなくネガティブな印象をもってしまいがちですが、このラベンダーの沈黙はそのようなものではなく、心が穏やかに、静かな状態の沈黙を意味しています。

心が乱れて落ち着かないときは、ラベンダーの香りを身近に置くと、リラックスして安らかな気持ちでいられることでしょう。

清潔

ラベンダーの花言葉である「清潔」という花言葉の由来は、ラベンダーの持っている、抗菌と殺菌作用が由来になっています。この記事の中でも何度か出てきていますが、古代ローマ時代には浴槽にラベンダーを入れていました。これはリラックス効果だけではなく、抗菌、殺菌作用があることから浴槽にラベンダーを入れていました。

また、衣類を保存しておく際に防虫効果があることから、洗濯の際にラベンダーを入れた水で衣類を洗っていたそうです。その他にも、イエス・キリストが幼かったころに、マリアがイエスの産着をラベンダー入りの水で洗ったという言い伝えもあります。

もうひとつの由来として、ラベンダーの語源が「洗う」を意味するラテン語「lavare」からきているという説もあります。

許し合う愛

ラベンダーの海外の花言葉には、「許し合う愛」という花言葉があります。これはラベンダーの香りにある癒し効果が由来と言われています。

仲違いしてしまった相手と仲直りしたい時には、ラベンダーを部屋に飾ったりラベンダーの香りのアロマを使ってみるとリラックスして仲直りできるかもしれません。

期待

ラベンダー

ラベンダーの花言葉である「期待」という花言葉の由来は、ラベンダーのもうひとつの花言葉「あなたを待っています」に由来しています。

美少年に恋をした少女ラベンダーの切ないヨーロッパの言い伝えから「あなたを待っています」が派生して「期待」という花言葉になったと言われています。

ラベンダーは古くから恋人が相手にラベンダーの花を送るなど、恋愛と深く関わってきました。その結果、少女ラベンダーの伝説が作られたのではないでしょうか。

ラベンダー誕生花

ラベンダーは7月5日、7月10日、12月3日生まれの誕生花です。

ラベンダーの種類(品種)

リラックス作用があり抗菌や防虫作用の高いラベンダーですが、さまざまな品種が存在します。ラベンダーは一般的に紫の花を思い浮かべるかたが多いと思いますが、実は白色のラベンダーも存在します。

色だけではなくラベンダーの特徴である香りも、品種によって強い香りの品種と、香りがしない品種などさまざまなものがあります。ここではラベンダーの中でも有名な5種類の品種と、白いラベンダーについてみていきましょう。

イングリッシュラベンダー(アングスティフォリア系)

イングリッシュラベンダー

ラベンダーの品種のひとつ、イングリッシュラベンダー(アングスティフォリア系)は最もポピュラーなラベンダーです。花の色は濃い紫色で、とても強い香りが特徴です。一般的に見られるラベンダーは、北アングスティフォリア系のラベンダーで、この中でも代表的な品種がイングリッシュラベンダーでコモンラベンダーとも呼ばれます。

北海道でよく見られるように、乾燥して気温が高くない季節を好みます。寒さにはとても強い品種ですが、高温多湿には弱いです。そのため、ラベンダーの最盛期の季節である初夏に高温多湿になってしまう暖地では育てるのが難しい品種です。

フレンチラベンダー(ストエカス系)

フレンチラベンダー

フレンチラベンダー(ストエカス系)は、花の先端がウサギの耳の形のようになっているのが特徴です。花の色は、紫以外にも、赤、白、黄色など様々な色の花が咲きます。花の香りは、少し弱いのですが、とても甘い香りがします。そのため、観賞用やドライフラワーとして人気がある品種になります。

ストエカス系のラベンダーは、アングスティフォリア系のラベンダーに比べて、暑さに強く、そのぶん少し寒さに弱いという品種です。

レースラベンダー(プロテストエカス系)

レースラベンダー(プロテストエカス系)のラベンダーは、レースのように小さい切れ込みの入った葉が特徴のラベンダーです。花の色は、薄いピンクや白、濃紺色をしていて、一般的な紫色のラベンダーとは異なります。また、ラベンダーの特徴である独特の香りはしません。

他のラベンダーの品種と違い、暑さと寒さの両方に弱い品種です。レースラベンダーは季節を問わず1年のうち何回でも花が咲く、いわゆる四季咲きの品種なので秋から初夏にかけての長い季節の間、花を楽しむことができる品種です。

ラバンディン・グロッソ(ラバンディン系)

ラバンディン・グロッソ

ラバンディン・グロッソ(ラバンディン系)のラベンダーは、アングスティフォリア系の品種とスパイクラベンダーの交配種です。花の色は淡い紫色をしています。香りも強く、甘い香りがしますので、ラベンダーオイルの原料として好まれています。

ラバンディン系はアングスティフォリア系の改良種のため、暑さにも比較的強く、寒さにも強いです。そのため暖地でも育てやすい品種です。

ラベンダー・デンタータ(デンタータ系)

ラベンダー・デンタータ

ラベンダー・デンタータ(デンタータ系)は、四季咲きの品種のラベンダーです。葉にギザギザの切れ込みがあり歯の形に似ていることから、「デンタータ(歯のような)」という名前がつきました。花の先端に薄紫色のフリンジのような苞葉をつけることから、フリンジラベンダーとも呼ばれています。

花の色は、紫や濃い紫色をしていて、香りはそれほど強くありません。暑さには強いですが若干寒さに弱い品種です。四季咲きですので長い季節、花を楽しむことができます。

美郷雪華(みさとせっか)

美郷雪華(みさとせっか)

美郷雪華(みさとせっか)は日本で生まれたオリジナルのラベンダーです。ラベンダーの多くが紫色の花をつけるのに対し、この美郷雪華は白色の花を咲かせるのが特徴です。名前の由来も、白い花をつけることから、「美郷の初夏に美しい雪の結晶が見られるように」との思いから名付けられました。

美郷雪華は品種登録されたのが、平成25年と比較的新しい品種で、秋田県にある美郷町で作られました。ホワイトラベンダーとも呼ばれており、美郷町オリジナルのラベンダーの品種です。花の季節は、ほかの品種のラベンダーと同じく、初夏の季節です。

ラベンダーの優れた効果

ラベンダーには抗菌、殺菌作用があることはこの記事の中で説明してきましたが、実はラベンダーにはそれ以外の様々な効果があります。そのラベンダーの素晴らしい効果をみていきましょう。

ラベンダーの体への効果

ラベンダーの効果のひとつとして体への効果があります。その中でも、特に緊張を解く作用と冷却効果に優れています。鎮痛作用により、偏頭痛などの頭痛や、腹痛、生理痛などの緩和に有効と言われています。そして冷却効果によって患部の炎症を抑える効果もあり、古くから医療用としてラベンダーは利用されてきました。

また、血圧を下げる効果や免疫力を高める効果も確認されていて、呼吸器系の感染症の予防に有効とされているため、風邪などが流行る季節には非常に有効です。

ラベンダーの心への効果

ラベンダーのもうひとつの効果として、心への効果があります。ラベンダーの独特の香りは、気持ちをリラックスさせ、セロトニンという物質の分泌を促します。セロトニンは「幸せ物質」とも呼ばれており、怒りや不安などの感情を落ち着かせる効果があります。

ラベンダーの花言葉のひとつの「沈黙」の意味のとおり、心を平穏に保つ効果が非常に高いことが特徴です。

ラベンダーの皮膚への効果

ラベンダーには皮膚への高い効果もあります。ラベンダーがもっている高い殺菌、抗菌作用によって虫刺されや傷の治療にも効果があります。また、冷却効果によって、日焼けで火照った肌を冷やすという効果もあります。

この皮膚への効果は非常に高く、あらゆる肌トラブルを予防できると言われています。傷の治療に関しては、ラベンダーには鎮痛作用もあることから古くから傷の手当の際に使用されていました。

ラベンダーは妊娠初期の人には注意が必要

ラベンダーには通経作用があると言われており、妊娠初期では子宮を刺激してしまうため使用は避けたほうが良いと言われています。特に、成分の凝縮されたアロマオイルなどを直接肌につけてしまうと皮膚から成分が吸収されて、全身にいきわたってしまうため注意が必要です。

これは、バジルやカモミール、シナモンといったハーブにも同じことが言えます。妊娠初期では注意が必要ですが、妊娠中期になると使用することができます。また、香りを楽しむ程度であれば、妊娠初期でも問題ありません。心配なときは主治医などに相談してみるのがよいでしょう。

ネモフィラのおすすめスポット

ファーム富田(北海道)

ファーム富田
住所北海道空知郡中富良野町基線北15号
見ごろ7月~8月

北海道にあるファーム富田は、あの有名なドラマ「北の国から」のロケ地としても非常に有名です。ラベンダーの季節には、ポピー、コスモス、カスミ草などさまざまな花が一面に広がり素晴らしい自然のグラデーションを作り出しています。

たんばらラベンダーパーク(群馬県)

たんばらラベンダーパー
住所群馬県沼田市玉原高原
見ごろ7月中旬~8月中旬

たんばらラベンダーパークは群馬県の玉原高原にある、関東屈指のラベンダーの名所です。スキー場のゲレンデを利用していて、見ごろの季節には約5万株ものラベンダーが一面に咲き乱れます。その様子は、まるで紫色の絨毯のようです。

高原という事もあり、夏の暑い季節でも快適にラベンダーを楽しむことができます。

くじゅう花公園(大分県)

くじゅう花公園
住所大分県竹田市久住町4050
見ごろ6月下旬~7月上旬

九州の大分県にある西日本最大のラベンダー畑を有する公園です。ラベンダーの背景には、くじゅう連山や阿曽五岳などがそびえており、雄大な景色が魅力です。ラベンダーの他にも春から秋の季節にかけて約500種300万本もの花を見る事ができます。